GEWELとわたし(西堀有紀)

NPO法人GEWELは2003年の設立以降、ダイバーシティ&インクルージョンを中心に、多くのひとに影響を与えてきました。GEWELと関わったことをきっかけに、新しい何かを起こしてきた「コトおこし」の例を紹介していきます。

File18:西堀有紀(ニシボリユキ)

地方公務員

Q: あなたを掛け算で表現すると?
「経理」 x 「裏方」 x 「資格」

大学卒業後は大手証券会社で3年弱勤務した後、公務員に転職し、早いもので25年以上が経ちました。学生時代は数学が苦手だったのに、証券会社では窓口営業、公務員になってからも、総務・経理関係の業務に従事する期間が長く、比較的いつも数字にからむ仕事をしているのですから不思議なものです。
金融機関での窓口営業では、担当するお客様と窓口やお電話でお話ししたり、お宅を訪問したりと外に出ることが多い環境でしたが、公務員になってからは一転、オフィスワークの日々となり、自宅と職場の通勤以外ほとんど外に出ることはありません。公務員生活の一時期、総務・経理関係の業務から離れたこともありましたが、ブランクが長かったせいか、大いに違和感を感じた覚えがあります。総務・経理の業務は、どちらかと言えば「裏方」というイメージがあって、若い頃は猪突猛進に突き進むタイプだった私には合わない職種だと思っていたのですが、こんなに長く続けているとはこれも不思議なものです。
証券会社に入社した時、必ず「証券外務員」の資格を取得しなければならず、新人の私たちは研修期間の後、会議室で1か月半ほどひたすら勉強をさせられました。このとき、勉強して資格を取得することの楽しさを覚えたのか、その後、英検、漢検、衛生管理者、ファイナンシャルプランナーなど、趣味と実益を兼ねてぼちぼちと資格を取得してきました(ただし、どれも最高ランクまでは極められないのが私らしいといえば私らしいのですが。)。

 

Q: GEWEL との出会い
誘われて参加したオープンフォーラムでGEWELに刺激を受けて

7~8年前、総務・経理関係の業務から離れて、男女共同参画の推進を担当していました。当時、同僚の女性が研修生として派遣されていた民間企業でGEWELの研修に参加したことがあり、私をオープンフォーラムに誘ってくれたのがGEWELとの初めての出会いでした。オープンフォーラムでまさに多種多様な方々とのネットワークを築くことができ、ダイバーシティという異次元の世界に入り込んだ私は、その後もオープンフォーラムの開催案内を楽しみにして都合のつく限り参加し、その日だけは外の空気を吸い、若かりし頃の自分を取り戻してきました。また、ここ数年はオープンフォーラム以外にも参加の場を広げて、さらに多くの人と出会い、ネットワークの構築を進めています。

 

Q. 具体的な転機やその後に訪れた変化は?
「一人きりの国際研修」で実感した「進みたい道は自分で切り拓け」

平成23年の秋に県の国際研修で11日間、単身、ノルウェーとドイツを訪問しました。この研修では業務に関連する内容の企画書を自分で作成し、研修先や宿泊先、交通手段を手配する必要がありました。宿泊先や交通手段は旅行会社にお願いしましたが、研修先と通訳だけは自力で確保するしかありません。それでも、ドイツは比較的早く手配できたのですが、ノルウェーは出発1週間前になっても白紙の状態、この時は本当に焦りました。藁をもつかむ思いで訪ねたのはノルウェー大使館、アポなしの私を館内に入れてくれた上に、現地の日本人通訳の連絡先を紹介してくれました。おかげで、その後とんとん拍子に研修先も決まり、正式な企画書を出発当日の朝職場に提出し、その足で空港に向かい、無事に日本を飛び立った時には安堵感でいっぱいでした(研修から帰った時よりもホッとしていたくらいです)。
この経験を通じて感じたのは、自分の進みたい道は、苦労してでも自力で切り拓くしかない、その代わり、その苦労は必ず報われるということでした。

 

Q. 今どんなコトを起こしていますか?
GEWELの理事として複業デビュー

お世話になっているGEWELの理事として仕事をする機会をいただきました。都内在住・在勤でもなく、「アナログ」な私にとってはオンライン会議やネットバンキングなど驚きの連続ですが、新たな経験を積むことがだんだん楽しくなってきています。また、複業デビューをしたことで責任感が増して、体調の管理と時間の活用には敏感になり、家で週末に翌週のおかずを作り置きしておくなど新しい生活習慣も芽生え始めました。「健やかに」「楽しく」なければ複業のモチベーションを上げるのは難しくなりますから。

 

Q. これから起こしたいコトは?
「金融・経理の資格を持つ職人」となり「悩み迷う誰かの守り人」を目指す

今までの人生を振り返ると、決して思いどおりの仕事をしてきたわけではありません。
数学が苦手なのに経理関係の仕事をし、外向的な性格なのに総務というオフィスワークに従事する、どちらかと言えば、苦手な分野の仕事ばかりしてきたような気がします。しかし、長年の経験は苦手なものを得意なものに変え、私の居場所を作ってくれました。
一時期は、組織の中の管理職を夢見たこともありますが、私が日々の生活の中で憧れるのは、厳しい環境の中で修行を積み、技量を高めた職人たちであることにも気づきました。私の身の回りにはそんな職人たちが心を込めて作り上げた作品の数々があって、いつも私の気持ちをそっと支えてくれます。
私がこれから起こしたいコトは、「金融・経理」の国家資格を取得して、悩み迷う誰かを守ることです。資格を取得するのはかなり険しい道であることは想像に難くなく、晴れて資格を取得できたとしても、その後、組織の中でその資格を生かすのか、独立開業するのかさえも未知数です。そもそも、その頃自分がどこに住んでいるのかさえも分かりません。それでも、自分の道を自分で切り拓く信念と鍛え上げられた技量があれば、その道は自分の希望を叶えた大満足の人生に繋がっていると信じて歩いていこうと思います。

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