ブログ:ダイバーシティの中で語られる共感とは・・篠田寛子

ダイバーシティを推進するために「共感力を磨きましょう」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。

共感とは、相手の気持ちや考えに寄り添い、その背景を理解しようとする姿勢です。単なる同意ではなく、なぜ相手がそう考えるのかを知ろうと努めることで、誤解や偏見が減り、深いコミュニケーションが生まれます。多様な意見や価値観に対して共感することで、職場やコミュニティでの一体感が高まり、多様性を活かした新しい価値の創造につながります。

というように、私も研修で共感の重要性を伝えていますが、共感について今一度考えてみたいと思います。

  • 共感そのものが難しいと感じる人がいるようだ
  • 共感力がある人でも、状況によってその度合いが変わることがあるようだ
  • 不安なとき、自分を守るために共感しない選択をする人がいるようだ
  • 共感疲労という言葉があるが、やり過ぎないために何が必要か?
  • 共感さえすれば解決と思っている人がいるのではないか?

こうした疑問が浮かびます。

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GEWEL設立メンバーである、佐渡アンさん、堀井紀壬子さんを偲んで

堀井紀壬子さんと佐渡アンさんが、今年相次いで亡くなられました。

佐渡アンさんは、GEWELの設立当初から、ダボス会議の女性版とも言われる「世界女性会議」(Global Summit of Women)の日本開催を目指し、長年にわたり活動されてきました。2017年に東京での開催が実現したのは、アンさんが中心となり、多くの人々の力を結集した賜物です。

また、GEWELの活動を通じて、企業の女性リーダーを励まし、アンさん自身がロールモデルとしてリーダーシップを発揮してこられました。

 

堀井紀壬子さんは、日本の女性たちがこれからリーダーとして活躍するためにとGEWEL設立に尽力されました。

多くの女性達が彼女の姿勢やスキルを学び、その後各地で活躍しています。

 

お二人の夢と確固たる意志が無ければ、GEWELの誕生はありませんでした。そのご功績に深く感謝し、心よりお悔やみ申し上げます。

お二人の想いと遺された足跡は、これからも私たちの心に生き続け、次の世代へと受け継がれていくことでしょう。

GEWEL理事一同

 

 

設立経緯はこちらから
https://www.gewel.org/about/organization-overview/

 

 

ブログ :「手話」をテーマに異文化コミュニケーション・・五十嵐ゆり

ある自治体のLGBTQ+啓発事業の一環として、映画上映会の企画・運営を担当しています。昨年は、トランスジェンダーをテーマにした作品「片袖の魚」を上映したので、今年はテーマを変えて、LGBTQ+と“ろう”をテーマにした作品「ジンジャーミルク」を選びました。

監督の今井ミカさんは、第一言語が日本手話のろう者で、2018年には「虹色の朝が来るまで」にて、ろう者の同性カップルを主役とした作品を作っています。地方都市のろう者のコミュニティの狭さや、家族との対立、ろうのLGBTQ+交流会での新しい出会いなどが描かれており、ダブルマイノリティと言われる人々の日常や喜怒哀楽を、映画を通じて追体験することができたので、今井監督の次なる作品に大変期待していました。

その作品、「ジンジャーミルク」は、初見で大きな衝撃を受けました。

日本手話と日本語は、全く別の言語であることを改めて痛感させられました。聴者(聴覚に障害がない人)がある手話を使ったことによってすれ違いが生じますが、詳細を書くとネタバレになっちゃいますので、ここは伏せます。ぜひ作品をご覧ください。日本手話は独特の文法体系を持っていて、日本語とは語順も異なるそうです。お恥ずかしながら私は以前、手話は聴者が話す日本語をハンドサインで翻訳しているものと思い込んでいましたが、それは、日本語対応手話、と呼ばれるものです。日本手話は、第一言語として手話を習得した方が多く使うものだそうです。

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企業研修の講師(ダイバーシティ研修講師)向け研修  受講者募集中

ダイバーシティ研修講師のみなさん、講義内容や伝え方について不安になったことはありませんか?この伝え方は誤解がないだろうか、など。

 

「ダイバーシティ推進者研修(研修講師向け)」は、組織のダイバーシティ推進を研修で、企業を外部から支援している方を応援する研修です。

これまで、女性活躍、障害者、LGBTQなどの個別テーマを含むダイバーシティ推進に関する、企業向けの研修を行ったことがある講師の方々が対象です。

ダイバーシティ推進は経営戦略の一環です。そのため、ダイバーシティ推進の研修講師は、企業経営に外部から影響を与える重要な存在と言えます。

しかし、講師の方々から、「自分の専門領域以外のことを聞かれると自信が無い」、「独自に研修内容を検討しているが客観的な視点が欲しい」など悩む声を良く耳にします。

そこで、「ダイバーシティ推進者研修(研修講師向け)」では全6回に渡り、様々な視点で考え、受講者同士で具体的なケースについて学びあい、今後のご自身の研修に活かしていただけるように構成しています。

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ブログ:マックルモアから学ぶ「特権」との向き合い方・・稲葉 哲治

アメリカ・シアトル出身のラッパー、マックルモア(Macklemore)が5月に発表した新曲『HIND’S HALL(ヒンズホール)』は、みなさん聞かれましたでしょうか?

ニューヨークのコロンビア大学でガザ反戦デモを行う学生たちに連帯し、自国のあり方を問う曲。ベトナム反戦運動の舞台にもなった同大学の象徴的建築ハミルトンホールが、ヒンド・ラジャブさんというパレスチナの少女への追悼から「ヒンズホール」と呼ばれだしたことに由来した曲名になっています。収益は全てUNRWA(国際連合パレスチナ難民救済事業機関)に寄付されるとのことです。

明るく楽しいノリノリの曲も数多く発表しているマックルモアですが、折々で社会の不条理さとそれに直面する人のあり方を抉るように問う作品を発表しています。

有名なものは、同性愛をテーマとした『Same Love』でしょう。繊細なピアノの旋律にのせた内向的な歌い方で「小学校3年の時、自分はゲイだって思っていた」という独白から始まるこの曲は、逡巡する思考を吐露しながらも、お互いを尊重し理解できないものへの怖れを乗り越えながら、社会を自分たちで変えていくこと(We have to change us)を呼びかける、とても美しい作品です。ミュージックビデオも感動的なため、5分半程ですが涙もろいかたは泣いちゃうかもしれません。

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ダイバーシティ&インクルージョン基礎 再開します!

2021年に開催して好評だった基礎を、ご要望にお応えして再開します!

以前ご参加いただいた方も、初めての方も、どなたでもご参加できます。

ダイバーシティ&インクルージョン

聞いたことはあるけど、よくわからない…
どこから考えていけばいいんだろう?
別の視点で考え直したい

ダイバーシティ&インクルージョンを知れば知るほど、様々な視点があるなと感じている人や、これから初めて考えてみたいなと思う人まで、色んな方々と意見交換してみませんか。

D&I基礎では、
・ダイバーシティ&インクルージョンを知る
・ダイバーシティ&インクルージョンのデータ
・私とダイバーシティ&インクルージョン
という3部構成で、皆さまと一緒に考える場を提供します。

ぜひご参加下さい。 続きを読む

【緊急開催】ダイバーシティ推進者が海外に行ってきたこと感想会 ースペインとオーストラリアに行ってみてー

世界中から1,000人以上の女性リーダーが一堂に会し、「女性と経済」について話し合う国際会議「Global Summit of Women 2024」(2024/5/8〜10)に、GEWELの小嶋 美代子(代表理事)と、篠田 寛子(理事)が参加してきました。

Global Summit of Women(GSW)は、女性版「ダボス会議」と言われています。

参加して何を感じたのか? 何に共感したのか?

得たものは知識だったのか? 智恵だったのか?

その場にいた者にしか語れない体験を、熱が冷めないうちに語り尽くしてもらおうと思います。

そしてもう一人、40年の歴史を持つ南半球最大のLGBTQの祭典「マルディグラ」@シドニー(オーストラリア)に参加した五十嵐 ゆり(理事)にも、その時の街や人の様子と体験を語ってもらいます。

3人の語りから感じる世界のダイバーシティ。

見逃さないでください。

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ブログ:天然ダイバーシティな人・・山田 弘

天然ダイバーシティな人ってどんな人?

天然ダイバーシティをGoogle検索してみると、『地球上のさまざまな環境の中で適応進化した多種多様な生物(人類を含む)が、さまざまな形で関わり合いながら暮らしている状態を表す概念である「生物多様性」に倣う言葉』(AIによる概要)と表示されます。

が、ここでは『ダイバーシティに関する知識スコアは低いけど、ダイバーシティにフレンドリーな人』と定義します。

そんな人いるの?と思うかもしれませんが、いるのです。

なぜなら、私がそうだったから。

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「ダイバーシティ推進者研修」プレ体験会 参加者募集(4/10)

「ダイバーシティ推進者研修」プレ体験会&相談会を開催します。

「ダイバーシティ推進者研修」にちょっと興味はあるけれど、どんな内容になるのか今ひとつイメージが湧かない・・・

そんな方に最適です。

第1回研修の一部を実際に「プレ体験」いただけます。

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ブログ:わかりやすくなったダイバーシティ・・小嶋美代子

ダイバーシティの用語認知度はどれくらいだと思いますか?

2022年のGEWEL調査によると、ダイバーシティを知っていますか?の質問に対して、「意味を説明できる」が14%、「なんとなく理解している」が28%で、認知度は42%。「全く知らない」は20%でした。

ところで、GEWELが設立されたのは20年前(設立経緯はこちらでお読みいただけます)。以降、ダイバーシティに関する様々な調査をしてきました。2008年のGEWEL調査から同じ質問の回答結果をご紹介しましょう。

「ダイバーシティを聞いたことがあり、どういう意味か知っている」は52%、「全く知らない」は16%でした。これを見ると、日本は14年もの間、ノー変化なのか?!と驚かれることでしょう。

これは調査対象の違いが影響しています。2008年の調査ではビジネスパーソンに限定されていましたが、2022年の調査では職業の有無にかかわらず広く一般市民層が対象です。

みなさんの実感ではどうでしょうか?

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