シンポジウムは成功裡に終了しました!
ご参加いただきました皆さまありがとうございました!
- 全体会議:「【自分自身が気付いていない無意識の偏見〔思い込み〕】を探る」
- パネルディスカッション:「経営者が求める21世紀のリーダーシップ」
- 基調講演1:「明日のリーダーへの期待」
- 分科会1:「リーダーシップブランドの構築」
- 分科会2:「ダイバーシティマネジメント・実践企業の経験と課題」
- 分科会3:日本市場のダイバーシティ・マーケットにおけるビジネスチャンスとリーダーシップ
- パネルディスカッション:「アメリカ先進事例に学ぶ企業とNPOのWin-Winの関係づくり」
- 基調講演2:「インパクトリーダーシップの新しいモデル」
パネルディスカッション
「アメリカ先進事例に学ぶ企業とNPOのWin-Winの関係づくり」
パネリスト:
NPO リーダーシップ・エデュケーション・フォア・アジアパシフィック・インク
上級副社長
芥川 リンダ氏
加州ユニオン銀行
ダイバーシティ&インクルージョン副社長 ティーサ・ジャクソン氏
IBM
マーケット・デベロップメント副社長
マリリン・ジョンソン氏
モデレーター
:
NPO GEWEL
副代表理事
佐渡 アン
日本ではNPOというとボランティアというイメージが色濃いですが、アメリカでは多くのNPO団体が、企業と社会問題のギャップを埋める調整役としての役割を果たしています。その成功事例として、企業、NPO、コンソーシアムというそれぞれの立場から3名のパネリストが登場しました。

IBMのMarketing Development副社長であるマリリン・ジョンソン氏は自己紹介の中で、IBMの「Diversity & Inclusion」というビジネス戦略上、NPOとのパートナーシップが重要な役割を果たしていると述べました。例として、ジョンソン氏は自身の担当している女性、アジア人、ヒスパニックなどマイノリティの事業者を対象とするビジネスにおいて、「Global Summit of Women」のようなNPO活動がネットワークを広げる助けになっていると指摘しました。

マリリン・ジョンソン氏
次に紹介された芥川リンダ氏は、NPO Leadership Education for Asian Pacifics, Inc.(LEAP)の上級副会長を務める日系アメリカ人です。LEAPはアジア系の人材を中心にリーダーを育てることをミッションとしたNPOで、26年前の設立以来IBMをはじめ多くの企業、また市民活動団体、政府などに研修プログラムを提供してきました。芥川氏はNPOの運営にあたり収益事業を持つことの重要性を強調し、「近年ソーシャルベンチャーが増えています。それは必ずしもコアの活動と一致するものではなく、例えばホームレスの支援団体がレストランを運営するケースもあります。私どもの場合は幸いにも、ミッションとする活動そのもので利益をあげることができており、今では事業収入が全体の収入の6割から7割近くを占めています。スポンサー企業は景気後退などで簡単に支援を打ち切られる可能性があり、それに頼りきりになってしまうのは危険なことです。」と述べました。

ティーサ・ジャクソン氏(左)と芥川リンダ氏
Professional & Technical Diversity Networkというコンソーシアムを創設しDiversity & Inclusion推進活動で実績を持つティーサ・ジャクソン氏も、NPOは自らをビジネスと捕らえるべきであると同調し、クライアントに対して何を提供できるのか、特にデータ、(人材などへの)アクセス、商品またはサービス、ノウハウ、ブランディングという5つのポイントについて意識するようにと発言しました。
また、最後にモデレーターの佐渡アンからの「株式会社化をせずNPOでいることのメリットは何か」という質問に対し、NPO LEAPの芥川氏は「NPOはビジネスですが、NPOでいることにより第三者的な中立性を保つことができます」と述べました。

佐渡アン
基調講演2
プロメリカ銀行
創設者・会長 マリア・コントレラス・スウィート氏
元カリフォルニア州ビジネス・運輸・住宅局長官(ヒスパニック系女性として初めての重職就任)
テーマ:「インパクトリーダーシップの新しいモデル」
Impact Leadershipシンポジウムの最後を飾ったマリア・コントレラス・スウィート氏の基調講演は、多くの聴衆の心を掴むものとなりました。幼少の頃、両親の離婚を機に母親に連れられてメキシコから米国へ移住。言葉も文化も何ひとつ理解できない状況から、カリフォルニア州でラテンアメリカ人が所有する銀行として30年来初めてとされるプロメリカ銀行を設立するまでのサクセスストーリーが語られました。

マリア・コントレラス・スウィート氏
スウィート氏のキャリアを一貫して支えてきたのは、祖母から告げられた次のような言葉だったといいます。「It’s not the jobs that you have that will impress me, it’s what you do with the job that you have that will impress me.」(肝心なのは、どのような職務に就いているかではなく、あなたがそこで何をするかということ。)スウィート氏はこの言葉を噛み締め、20年前にメキシコ系移民の女性たちが米国政治に平等に参加できるよう支援する団体HOPEを設立。初年度に100人であった参加者は、2年目には200人、3年目には300人、今では数千人規模へと成長し、現在国会で活躍している人物も多数いることを誇りに思うと語りました。
その後、カリフォルニア州で初めてヒスパニック系女性として州政府のビジネス・運輸・住宅局長官という重役に就任したスウィート氏は、再度この言葉を思い出し、「女性であるという視点からどんな変革ができるか」と自問。その結果、鉄道やバスなど庶民が利用できる公共交通網の整備や、ヘルスケア・医療部門でリーダーシップを発揮してきました。
そのような仕事をする中で、「資本主義社会で成功するために最も必要なものは、資金へのアクセスである」と痛感したスウィート氏は、女性による女性のための銀行を設立しようと奮起しました。必要資金は50万ドル。そこで25人の女友達を集め、「その靴やそのバッグを買えるのだから、可処分所得があるのはわかっているわ。女性がビジネスで成功する能力があると信じてくれるなら、銀行に力を貸して!」と告げると、なんと集まった資金は130万ドル。「これが、ひとつの目標を信じ結束した女性たちの力なのです」と会場を励ましました。社名の「プロメリカ」には「Promise of America」(米国の約束)という意味が込められています。
スウィート氏は最後に、女性参政権が男性の提案からではなく女性たち自身の努力によって勝ち取ったものであることや、インド出身の女性インドラ・ヌーイ氏が最もアメリカらしい企業であるペプシコ社のCEOとして活躍していることなどを例にとり、「Power is not something that is shared, it’s something that is seized」(力は、分け与えられるものではなく、自ら掴むもの。)という自身の信念を述べ、聴衆にエールを送りました。
閉会
建部博子(左)と堀井紀壬子

スタッフ全員

