インパクト・リーダーシップシンポジウム 主催:GOLD & NPO法人GEWEL

シンポジウムは成功裡に終了しました!
ご参加いただきました皆さまありがとうございました!

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各プログラムのサマリー

去る2008年10月21日に行われましたシンポジウムのご報告です。タイトルをクリックで各報告書へジャンプします。
  1. 全体会議:「【自分自身が気付いていない無意識の偏見〔思い込み〕】を探る」
  2. パネルディスカッション:「経営者が求める21世紀のリーダーシップ」
  3. 基調講演1:「明日のリーダーへの期待」
  4. 分科会1:「リーダーシップブランドの構築」
  5. 分科会2:「ダイバーシティマネジメント・実践企業の経験と課題」
  6. 分科会3:日本市場のダイバーシティ・マーケットにおけるビジネスチャンスとリーダーシップ
  7. パネルディスカッション:「アメリカ先進事例に学ぶ企業とNPOのWin-Winの関係づくり」
  8. 基調講演2:「インパクトリーダーシップの新しいモデル」

分科会1
リーダーシップブランドの構築

講演者:
サーチ&サーチ 上級副社長 岡田ベバリー氏

 日本文化とアメリカ文化の両方を持ち合わせる日系3世の岡田氏が、どのように自分のパーソナル・キャラクター・ブランドを構築し、アメリカのビジネス社会でトップの地位に就くことができたのか、 また、自分のパーソナル・ブランド・キャラクターを持つことの重要性について、お話しされました。 お話の後、参加者が3人ずつのグループに分かれ、各自のパーソナル・ブランド・キャラクターを定義付けるワークショップが行われました。

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岡田ベバリー氏

 パーソナル・ブランド・キャラクターとは、1.自分の仕事のやり方を変化させるビジョン、2.自分が創り出す製品やサービスに反映される姿勢、3.個人生活やキャリアライフを変える価値観であり、自分のキャリアを管理していく上で、パーソナル・キャラクター・ブランドが非常に大切であるとお話されました。

 岡田氏の場合は、まず自分の長所や短所を知ることから始め、もともとシャイな性格をミーティングでは最初に発言するようにしたり、またアジア文化圏の人には難しい、アイコンタクトをとることを学んだり、ボディランゲージを身につけたりして、自分の短所を変えていかれました。最終的には、良い聞き手、思慮深く賢い人という、自己の評判を確立していきました。

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ワークショップの様子

 後半のワークショップでは、参加者が楽しそうに、自分の価値観を書き出し、他の人がその価値観に基づいて、どのような人をイメージするか、また、自分が他人からどのように見られているかということを学ぶことができ、自分のパーソナル・ブランド・キャラクターに関して気づきを得ることができました。


分科会2
ダイバーシティマネジメント・実践企業の経験と課題

パネリスト:
株式会社あおぞら銀行 常務執行役員・人事部長 アキレス美知子 氏
ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 副社長・ダイバーシティ最高責任者 カーター・アンソニー 氏
クック・ロス・インク 創設者・代表 ハワード・ロス氏
ゴールドマン・サックス証券株式会社 マネージング・ディレクター・人事部長 渡辺治子氏

モデレーター :
日本アルテラ株式会社 コーポレート・マーケティング・マネジャー 岡村洋子氏

 まず、外資系の企業数社でダイバーシティを経験したアキレス氏、日本銀行という純粋日本社会から外資系への転身を経験している渡辺氏、ジョンソン・エンド・ジョンソンで長くコミュニケーション担当を経験されたのち、ダイバーシティ最高責任者となったカーター氏、アメリカ企業や政府、また野球チームなどにおいてダイバーシティ・コンサルティングの経験豊富なロス氏と、非常に多様なパネリストの自己紹介からこのパネルは幕を開けました。

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 ダイバーシティ推進の成功と課題に関しては、パネリスト全員が一様にダイバーシティを経営戦略の一環としてとらえ、マネジメントのコミットメントの強い企業が成功するといわれていたことが印象的でした。またアキレス氏からは、本社の成功例に基づいたメンタリングなどのプログラムが紹介され、渡辺氏からは、取り組んで7年間の経験を通して、初期段階の大変さが語られ、現在では、社員、企業、クライアントの3者にとってのダイバーシティ推進の価値が社員に理解されていると報告されました。

 次に「ダイバーシティ&インクルージョンを日本企業で進めるために、皆さんならどうするか?」の質問に対しても、全員がダイバーシティと経営戦略の関連付け、トップマネジメントのコミットメントの重要性が、日本企業がこれからダイバーシティ&インクルージョンを推進するためにも成功のカギを握ると答えられていました。それに加えて、日本企業の粘土層(中間管理職)への浸透が必要であることも言及されていました。

 会場からの「子育て中の女性へのアドバイス」には、まず「自分が仕事を楽しむ、自分が本当にやりたいことに集中する」とした上で、周囲の支援を求めることが必要との回答がありました。

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渡辺治子氏(左)とハワード・ロス氏

 最後にパネリストから会場の参加者特にダイバーシティ推進担当者へのアドバイスとして、一様に「辛抱強く取り組むこと」があげられ、またロス氏からはグローバルな連携関係の確立が提案され、アキレス氏からは「1.プロとしての専門性を持つ、2.仲間を持つ、3.感謝の気持ち、4.ダイバーシティを自分の目的にする、5.楽しむ」ことがあげられたのが、印象的でした。

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アキレス・美和子氏(左)とカーター・アンソニー 氏

 通常ありがちな企業の事例紹介にとどまらないパネリストの経験に基づいた深い洞察と、真摯なアドバイスに敬意を表します。


分科会3
日本市場のダイバーシティ・マーケットにおけるビジネスチャンスとリーダーシップ

ゴールドマン・サックス証券株式会社 マネージング・ディレクター 松井 キャシー氏
ジャパン・マーケット・リソース・ネットワーク 代表取締役 デビ・ハワード氏

 分科会3では、デビ・ハワードさんとキャシー松井さんが、日本の女性をめぐる変化を、データを通して分析し、現在と今後の市場への提言をしました。

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デビ・ハワード氏(左)と松井キャシー氏

 一人目の報告者、ハワード氏は、日本では今、さまざまな大きな変化が起こってきていると指摘しました。若者や退職する団塊世代など、すべての年代で変化があり、特にパートタイム労働者の増加が顕著です。なかでも興味深いことは、日本では大学卒業後もフリーのパートタイムの就業形態を選んでいること。パートタイムで働く人たちは自由な働き方を選んでいるのです。 もう一つの大きな変化は、ワークライフバランスです。働く母親が増え、25%の会社がなんらかの育児支援制度を用意しています。これからは、ライフフォーカス(私生活中心)、ミーフォーカスパーソン(私中心の人たち)が増えていき、ライフスタイルに合わせた仕事の選択をする人たちが増えていくといいます。 もうひとつは、家族の変化です。女性の労働力率は少しずつ増えてきており、働く女性では独身女性の割合が大変高くなってきています。女性の生活面では、三世代同居世帯は現在1割で、今後少なくなっていくとのこと。また、若い男性も、休日には子供をつれて出かけ、インターネットではネットワーキングを楽しんでいます。こうした行動は今までなかった、ジェンダーロール(性別役割分担)が変化してきていると強調されました。

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デビ・ハワード氏(左)と松井キャシー氏

 また、ハワード氏から新しい機会を3つあげてビジネスチャンスと捉えての報告がありました。

 1つは消費者行動の変化です。消費者がリスクをとるようになったといいます。今まで企業や政府任せだったことが、自己責任で生活プランを立てるようになり、プライベートバンクや投資銀行は、教育訓練、トレーニング、ファイナンスについてなどに大きなチャンスが見込めるといいます。今の日本の市場は、かつての米国が70年代終わりから80年代に経験した同様の機会が到来していると考えられるのです。 ヘルスケア市場では、退職者の大きな層があるといいます。これは制度が後押ししており、患者に関する情報やセカンドオピニオン、アドボカシー活動が活発になってきているのです。多くの医者は患者からの質問や意見などたいへん積極的になってきているといい、インフォメーション、コミュニケーションなどもっと注目することが必要だといいます。高級ブランドも大変重要な鍵で、世界の40%が日本の消費者が購入しており、日本人消費者はブランドにとって重要な顧客です。変化は価格とクオリティについての判断が厳しくなってきていること。街では、グッチとユニクロが混在している人を見かけます。低価格ブランドやシンプル、高級など、ダイバーシティライフスタイルがミックスされています。これはラグジュアリーブランドにとって機会だと思います。またヨガスタジオや、スパ、レストランなどが入った消費者と連携した業態がみられるなど、これは15年前には見なかった現象です。このように、日本では、ワークライフバランスや個々のライフスタイルが重要になってきており、個々人の責任で行動するなどの大きな変化は、日本企業だけではなく、外資系企業にとっても、ビジネスチャンスを創造できる時と締めくくられました。

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松井キャシー氏

 二人目の報告者の松井氏は、インドから東京まで幅広い地域を担当しており、90年に来日、日経平均が38915円だったそうです。彼女の顧客は日本の機関投資家で、なぜ日本株に投資すべきかという話のなかで、必ず出る質問に日本の人口問題をどう解決するかがあるといいます。日本は、今後17年で労働人口が10%減少し、2050年には労働者2人に対し、退職者3人と、非常に厳しい労働力構造になります。 松井氏は、現実的には次の3つの選択肢しかないといいます。一つは出生率を上げること。2つ目は、外国人労働者割合を上げること。3つ目は女性の労働参加率を上げることです。消去法で、女性の労働参加率を上げることが一番現実的な解決策だと考え、日本の女性労働参加率が55%しかなく、25歳後半から30台半ばまで労働市場から一旦出る、このゾーンの女性を労働市場に参加させることが大切だといいます。また、学歴の高い女性の労働参加も重要で、他の先進国では学歴が高くなればなるほど女性の労働参加率が上がるが、日本では、学歴によって大卒であっても割合が変わらないと指摘しています。

 その際に必要なのは、介護のサポートと税のサポートで、いわゆる103万円の壁をなくすことと、ダイバーシティへのフォーカスをする、移民政策も見直す必要があるといいます。保育面でも日本は施設が少ない。日本では、0歳から3歳までの子供が保育施設に通う割合が13%で3歳以上は34%。フランスでは3歳から小学校までの子供の99%が通っているといいます。これは国の政策の違いです。日本では働く女性のロールモデルが少ないこともあるといい、マネージャークラスはわずか9%と低く、まだまだ少ないと指摘していました。官僚や経営者の方々と話すと、女性の労働参加率をあげれば出生率が下がる、といわれ、他国の出生率の話をしているそうです。スウェーデンやアメリカ、フランスなど労働参加率が高い国は出生率も高い。日本でも沖縄県では出生率も女性労働参加率も一番高い。ここにいる人たちは、全員が、もっと声高に、女性が働く国は出生率が高いと言ってほしいと強調していました。

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松井キャシー氏

 日本の女性労働参加率50%と男性の労働参加率99%のギャップがクロスすれば、GDPに及ぼす経済効果は16%となるという試算をだしています。日本の危機的状況を変えるために、何ができるかという問いに対しては、ダイバーシティの重要性を再認識する必要があるといいます。ダイバーシティ部を作り、部長を女性、部下を全員女性にするのがダイバーシティの成功ではなく、ダイバーシティは、企業としてビジネス上の重要性であるということを浸透させることだといいます。余裕があるからする活動ではなく、ビジネスケースの一つとして取り扱うことです。また、トップのコミットメントが重要です。ゴールドマンサックスでは、どんな集まりでも、会合でも必ずダイバーシティについてコメントし、まるで宗教のように、その後具体的なアクションを実行します。平等の機会を与えるため、特別なトレーニングやリーダーシップトレーニングを実施しているといいます。

 最後に、女性の労働参加率が上がれば、投資機会も増え、ビジネスチャンスが生まれます。住宅ローンを組む女性が増え、金融機関の女性向け投資商品も増えてきています。子どもをもつ母親の負担のアウトソースも重要になります。家事や介護、食事などのサービスの外注化などの機会をとらえるのは、サービス業が中心になるでしょう。モノからサービスに移行してきています。この分野は、今後急成長できる機会だと分析されていました。


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