オープンフォーラム参加レポート②:あらためてダイバーシティを考えた2時間半(教育編)

2020年12月6日、今年を締めくくるオープンフォーラムはオンラインでの開催となりました。全国から多くの方にご参加いただき、定員を大幅に超え大盛況となりました。

ダイバーシティと言われて久しい現代社会。
・ダイバーシティの正確な意味を理解しているのか
・なんのためにダイバーシティを推進しているのか
そんな「what」よりも「why」の部分について、「第一部・経営編」「第二部・教育編」という二部構成を、素敵なゲスト陣と考察していきました。
(モデレーター:稲葉 哲治(GEWEL理事))

〇第二部 教育編
ゲスト:
東 ちづる(俳優・一般社団法人Get in touch 代表)

サンドラ・ヘフェリン(コラムニスト)

続いての第二部は俳優・一般社団法人Get in touch 代表の東ちづるさん、コラムニストのサンドラ・ヘフェリンさんをお招きし、教育をテーマにトークを展開していきました。
今を生きる私たちは、次世代の子供たちに何を伝えていくべきなのでしょうか。

開始間もなく「こうしたセッションならば手話通訳者が欲しいところ」とご発言があり、ハッとさせられる場面も。

俳優としての顔をもつ東さんは、ボランティア活動歴28年。2011.3.11を「表面的な共生社会の縮図」と表現し、あらためてダイバーシティがいいと考え、アート、音楽、映像、舞台で活躍されています。

日本人の母とドイツ人の父をもつサンドラさんは、ハーフならではの悩ましさなど「多文化共生」をテーマに著書などで発信しています。

「ダイバーシティをどのように学び、伝え、教えていくべきか」「次世代にどのような社会を伝えていきたいか。またその方法は?」という2つのテーマをもとにトークを展開していき、お二人からさまざまな意見が飛び交いました。

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教育を語られるお二人からは、学び多いたくさんのお言葉をいただきました。

東さん
・失敗や間違いからの学びは有用になる
・一緒にいるだけではダイバーシティとはいえない。時間・空間・仲間(人間関係)を増やすことが大切
・若い人にはZ世代、その下の世代は「まぜこぜ」の感覚をもってきている
・「社会のためになる人」ではなく「人のためになる社会」を作って欲しい
・浅く、広く、そしてゆるくつながっていきたい

サンドラさん
・わからない=恥ずかしいではない
・学校にいるときはルールに合わせ、社会に出て仕事をするときは個性をださなければならない。という切り替えに戸惑う人が多い
・一般学級内でのハーフ・外国人の居場所と、ステレオタイプの質問対応問題
・日本のテレビに出てくる外国人に偏りがある
・地域格差・年代格差が大きい
・マジョリティに入った方が生きやすいということを刷り込まれているのではないか
・学校・会社には勉強・仕事には関係のない規制を見直して欲しい
・性別・国籍関係なくやったことを過剰に驚いたりほめたりするのではなく、個人個人の才能をそのまま認めて当たり前のようになった方がいいのではないか

とても限られた時間の中でさまざまなキーワードが飛び交い、濃い時間を共有することができました。

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経営と教育、2つの観点からセッションを行った今回。

企業や学校という立場、学生の立場、それぞれに思惑・理想があり、互いの意見に相違が出てしまうのはなぜなのか、どうしていけば良いのかを考えさせられる貴重な機会となりました。

多様性が受け入れられる社会が必要ではありますが、そのための大改革を一度行えば良いというものではありません。継続した理念の遂行で、形だけではない、ほんとうの意味で「ダイバーシティ&インクルージョンが達成される日を目指していかなければならないでしょう。

立場が違えば意見も思考の背景も異なります。私たちは異なる意見をすり合わせるだけではなく、その思考を次の世代へと繋いでいかなくてはなりません。

今回のフォーラムでは、若者のリアルな意見が幾度も登場しました。インターン先で、学校の教室内で、一体どんなやり取りがなされているのか。ダイバーシティを理想論で終わらせないためにどうするべきなのか。個々人がどんなことを意識して日々の生活を送るべきなのか。

多様性を実現する社会に必要なものを、これから考えていきたい。
そう考えさせられる、オープンフォーラムとなりました。

寄稿:眞島かな子、伏木湧哉

 

〇参加者の声 (アンケートに回答いただいた方のコメントを抜粋して掲載しています)

・こうした勉強会で得られる知識や理解は大事、だけれども、分からない者同士が一緒にいると分かってくる事が有るから、「分かりあおうとする」事がより大事と思いました。自分の理解が間違っていたり分からなかったり知らなかったりして、「他人を傷付けあってはいけない、そういう場面を回避したい」と思う節が有ったけど、そうした間違ってはいけないという思いより、「素直に言い合い分かり合おうとする姿勢」の方が尊いと強く思いました。(がんちゃん)

・東さんの「社会の役に立つではなく、人の役に立つ社会を作る」という言葉が耳に残っています。考えているだけでなく、行動に移さないといけないと強く感じました。(もこ)

・ 変わらなくちゃ、変えなくちゃと、大きな変革ばかりに気をとられていましたが(そして大きすぎて動けない)、持続してこそ、慢性疾患への対応、菌根的関係と勇気やヒントをいただきました。(匿名)

・もやっとしました。もやっとするのは大事なことだと思うので、もやっとポイントをほぐしながら、引き継ぎダイバーシティについて、考えていこうと思います。(匿名)

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